LPOにおける定性調査を解説:「なぜ」を特定してCV効率を高める

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LPO定性調査とは

本記事では、LPOにおける定性調査のアプローチについて解説をします。GA4等を活用した定量調査でランディングページの問題箇所と規模を把握したら、次は「なぜそうなっているのか」を明らかにする必要があります。なぜを特定するためには定性調査を行います。定性調査はLPOの中でも特に差が出やすい領域であり、工数をかけて取り組むほどにより解像度の高い施策立案が可能となります。

本記事ではいくつかのコア定性調査手法について、目的・活用場面・実践のコツを解説します。

定性調査が必要な理由

定量データだけでは「何が起きているか」しか分かりません。例えば「フォームページで75%が離脱している」という事実は分かっても、その理由は分かりません。

定性調査によって初めてなぜその事象が生じたのかの仮説を得ることができます。

  • ユーザーの感情的なハードル(不安・疑問・不信感)が見える
  • どの情報が不足しているかが分かる
  • ユーザーが使う実際の言葉・表現を把握できる

これらは、メッセージの見直しや情報シナリオの構成に大きく影響を与えます。

主要な定性調査アプローチ

以降は、主要な定性調査のアプローチについて解説をします。

手法1:ヒューリスティック分析(専門家によるLP体験レビュー)

ヒューリスティック分析はLPの問題点を網羅的に洗い出す最初のステップとなります。自分自身が「一人のユーザー」として、広告からLP・フォーム・完了ページまで全体を体験します。専門知識を使うのではなく、できるだけ素直な目でユーザーとして感じることが重要です。また、事前に項目を洗い出して診断スコアをつけるという手法も一般的です。

チェックポイント:

  • 広告とLPのメッセージは一致しているか
  • ユーザーの認知レベルに合ったコンテンツか
  • フリクション(操作・認知・感情)の発生箇所はどこか
  • コンバージョン導線は明確か

調査者(自分)はサンプル数のたった1人に過ぎません。ヒューリスティック分析はあくまで仮説出しのための最初のステップです。ヒューリスティック調査でフラグを立てた項目については後続の調査で必ず検証しましょう。

手法2:カスタマーサクセスや営業担当者へのヒアリング

カスタマーサクセスや営業担当者へのヒアリングは、実際のユーザーにインタビューするよりも時間効率が高くかつ深いインサイトが得られる可能性のある手法です。カスタマーサクセス担当者は毎日多くの顧客と直接対話をこなしており、顧客の疑問や不満のパターンを熟知しています。SaaSであればデモ担当者も同様で評価ユーザーとの対話で得た知識の蓄積は膨大です。

ヒアリングで確認すべきこと:

  • ユーザーが最も気にする疑問・懸念は何か
  • 購入/契約の決め手(動機)は何か
  • よくある反論・障壁は何か
  • どの機能・メリットに最も共感するか
  • 失注の理由として何が多いか

1人のインタビューで、多数のユーザーインタビューに匹敵する情報量を得られることもあります

手法3:ヒートマップ・スクロールマップ

ヒートマップツールを導入している場合、ユーザーがLPをどのように操作しているかを確認できます。

ツールで主に取得できる情報:

  • クリックマップ:どこをクリックしているか、クリック不可能な箇所への誤タップ
  • スクロールマップ:どこまでスクロールされているか(コンテンツの到達率)
  • アテンションマップ:どのエリアに視線・注意が集まっているか
  • マウス移動マップ(PC):デスクトップユーザーが読んでいる箇所

よくある発見と対処法:

  • FAQ項目のクリック数が特定の質問に集中 → その疑問はLPの上部で先に回答すべき
  • 重要コンテンツの到達率が数% → ページ構成の順序を見直す
  • 本来クリックできないUI要素への誤タップが多い → その要素の情報を充実させるか、リンクを設置する

手法4:レビュー分析

主要なレビュープラットフォームで自社または競合のユーザーレビュー(Google、App Storeなど、ECならAmazon、楽天など)を読み込みます。ユーザーが自分の言葉で書いたレビューはLP改善の宝庫となります。

分析で得られるもの:

  • ユーザーが実際に使う言葉・表現 → ランディングページのメッセージに活用できる
  • 最も価値を感じたポイント → 提供価値の磨き込み
  • 解決できた問題・痛み → ペインポイントの明確化
  • 不満点・疑問点 → FAQや商品説明の拡充
  • 競合と比較した際の優位性

 

多数のLLMが進化した近年においては、大量のレビューをAIに読み込ませることで分析時間を大幅に短縮できます。主要テーマの抽出や、感情別の分類なども効率よく行うことができます。


調査結果の整理方法:3種類の摩擦に分類する

各調査手法は以下のように役割分担をして、インサイトをそれぞれまとめます。

  1. ヒューリスティック分析:プロジェクト開始時のコンディション把握
  2. 担当者ヒアリング:ユーザー心理の深堀り
  3. ヒートマップ:実際のユーザー行動の可視化
  4. レビュー分析:訴求軸の適性化確認

まとめ

本記事で紹介した定性調査手法を組み合わせることで、ユーザーが「なぜコンバージョンしないのか(するのか)」を多角的に把握できます。定性調査の品質が高いほど解像度の高い課題抽出や施策立案が実現できます。初手としては手軽に始められる「ヒューリスティック分析」と「担当者ヒアリング」から取り組むことをおすすめします。

 

LPOにおける調査方法とは?LPOの成果を最大化するリサーチの考え方を解説

 

この記事を書いた人

akio_kimura

株式会社GO TO MARKET代表。CRO特化のマーケティング支援コンサルティングサービス「GrowthFuel」のプロデューサー兼オプティマイザー。CRO/Tipsでは海外情報や自身のプロジェクトを中心にCROのナレッジやノウハウを公開中。Invesp - CRO Mastery Certification / CXL - A/B Testing Mastery Certification

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